いぼはどうしてできる?
いぼとは、皮膚から盛り上がってできる比較的小さなできもののことを指します。ウイルス性疣贅、脂漏性角化症、軟性線維腫などのいくつかの種類に分けられます。
ここでは、いぼの中でももっともよく見られるウイルス性疣贅を取り上げていきます。
原因
ウイルス性疣贅の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
ヒトパピローマウイルスは人から人へとうつるウイルスであり、家庭内や学校、あるいはプール、銭湯・温泉、スポーツジムなどでの感染が多くなります。
症状
直径は数ミリ~1センチくらいで、特に四肢に好発し、徐々に大きくなります。
多発した場合には、いぼといぼがくっつくこともあります。
通常、痛みやかゆみはありません。しかし、盛り上がりが大きい場合には、押した時に痛みが生じることがあります。
ウイルス性のいぼについて
ウイルス性疣贅は、以下のようにいくつかの種類に分けられます。伝染性軟属腫以外のいぼについては、ヒトパピローマウイルスの感染を原因とします。
尋常性疣贅
一般に「ウイルス性疣贅」という場合には、この尋常性疣贅を指します。いぼの表面がザラザラしており、中には白っぽくなるものもあります。
手のひら、足裏によく見られます。
青年扁平疣贅
ほとんど隆起しない、平らないぼです。
額、手の甲によく見られます。
尖圭コンジローマ
性感染症の1つです。
亀頭、外陰部、肛門周囲に、カリフラワー状のいぼを形成します。
ミルメシア
中心部がくぼんだドーム状のいぼです。
手のひら、足裏によく見られます。
伝染性軟属腫
伝染性軟属腫ウイルスを原因とする、いわゆる「水いぼ」です。ウイルスを含む液体で満たされたツブツブの丘疹が生じます。
水いぼを潰してしまうと飛び火状に拡大します。子どもに多く発症します。
いぼは自力でとれる?
ハサミで切っても大丈夫?
いぼを自力で、たとえばハサミを使って切り取るということは、感染・化膿などのおそれがあるため、おやめください。また、取る時には相当の痛みが伴います。
市販薬として「イボコロリ」を使用される方もいらっしゃいます。こちらは、ウイルス性のイボについては有効となることがありますが、それ以外のイボについてはほとんど効果が期待できません。
早く、きれいに治すためにも、やはり皮膚科での治療をおすすめします。
いぼの治療
冷凍凝固法
液体窒素によってイボを凍結・破壊する治療です。1~2週間ごとに何度かご来院いただき、凍結を繰り返していきます。いぼの治療において、もっとも一般的な方法となります。
ただし、凍結の際には一定程度の痛みがあります。
ピンセットによる除去
水いぼの場合には、ピンセットでつまんで除去することができます。
麻酔テープを使用することにより、除去する際の痛みは軽減されます。
ビタミンD3外用薬
皮膚のターンオーバーを促進するビタミンD3外用薬を使用します。
毎日塗布することで、徐々にいぼがやわらかくなります。
漢方薬
ハトムギから抽出した「ヨクイニン」という漢方薬を使用します。
皮膚のターンオーバーを促進するとともに、いぼに対する免疫を高めることができます。
イミキモドクリーム外用薬
イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)は、尖圭コンジローマの治療で使用するウイルス薬配合外用薬です。
1日おきに塗布し、翌朝に洗い流します。
いぼは保険でとれる?
以下のいずれかに該当する場合には、保険診療としていぼ治療を受けられます。
- 皮膚がんの可能性がある
- まぶたにできたいぼによって、視野が狭くなっている
- 顔にできたいぼで、髭剃り邪魔になる
- 身体にできたいぼで、衣類の脱ぎ着の際に引っかかる
- 大きないぼを外科的に摘出する場合
- その他、医師が治療の必要性を認めた場合
自費診療となる場合にも、事前にその旨、および費用等をお知らせいたしますので、ご安心ください。知らないうちに自費診療になっていた、ということはありません。