かぶれとは
一般的に「かぶれ」は、何らかの刺激によって皮膚に異常をきたす病気のことを指し、医学的には「接触皮膚炎」と呼びます。皮膚科では非常に馴染みの深い疾患です。
皮膚の赤み、かゆみが主な症状で、これに加えて腫れや水ぶくれが生じることもあります。
かぶれのタイプ
かぶれは、その原因や症状に応じて、以下のようなタイプに分類できます。
刺激性接触皮膚炎
洗剤、化粧品、化学物質など、さまざまな物質の刺激によって起こるかぶれです。
特に、皮膚のバリア機能が低下している時に症状が現れやすくなります。また、症状は物質との接触後すぐに現れます。
アレルギー性接触皮膚炎
何らかの物質と接触した時、アレルギー症状として現れるかぶれです。
刺激性接触皮膚炎とは異なり、アレルゲンとなる物質と接触後、1~2日後に症状が現れます。
光接触皮膚炎
紫外線などの光、アレルゲン物質が一緒に反応することで現れるかぶれです。
薬剤を外用した部位に日光が当たってかぶれが生じる、というようなケースです。
全身性接触皮膚炎・
接触皮膚炎症候群
繰り返しかぶれることで、実際に接触した部位を超えて、全身にかぶれが広がっている状態です。
これは、抗原が皮膚から吸収され、血液を介して全身に広がっているために起こるものと言われています。
かぶれの検査(パッチテスト)
パッチテストとは
パッチテストとは、かぶれ(接触皮膚炎)の原因を調べるために行う検査です。
二の腕や背中などの正常な皮膚に、シート状のパッチテストパネルを貼り、2日後(48時間後)に剥がします。その後30分待ち、結果を判定します。
これに加え、3日後(72時間後)と1週間後にも判定を行います。
パッチテスト期間中の
注意事項
- パネルを貼っている期間は、その部位を濡らさないようにしてください。濡れると、検査物質が流れてしまい、正しい判定ができなくなります。
- パネルを剥がしてからは、濡らしても構いません。ただし、擦らないようにしてください。
- ステロイドを内服している方は、検査の3日前から検査を終えるまで、内服の中止が必要になります。事前にお申し出ください。なおステロイドの外用については、パネルを貼る位置と重ならなければ問題ありません。
パッチテストで検査できる項目
- 硫酸ニッケル
- ラノリンアルコール
- フラジオマイシン硫酸塩
- 重クロム酸カリウム
- カインミックス
- 香料ミックス
- ロジン
- パラベンミックス
- 陰性対照 - -
- ペルーバルサム
- 金チオ硫酸ナトリウム
- 塩化コバルト
- p-tert-ブチルフェノール ホルムアルデヒド樹脂
- エポキシ樹脂
- カルバミックス
- 黒色ゴムミックス
- イソチアゾリノンミックス
- 陰性対照 - -
- メルカプトベンゾチアゾール
- パラフェニレンジアミン
- ホルムアルデヒド
- メルカプトミックス
- チメロサール
- チウラムミックス
かぶれの治療
かぶれの原因を特定し、取り除くことが重要となります。原因となる物質、行為などを最大限、除去・回避します。 加えて、かゆみ、炎症を抑えるためのステロイド外用薬・内服薬、抗アレルギー、抗ヒスタミン薬などを用いた薬物療法を行います。