粉瘤とは
瘤とは、皮膚の下に袋のような構造物が発生し、その中に垢・皮脂が溜まって盛り上がるできものです。体表上のどこにでも発生し得るものです。
放置していると垢・皮脂が溜まっていき、大きくなることもあります。また、中央部には黒い点のような開口部(袋の入口)があり、強く圧迫された時にはそこからドロドロとした物質が排出されます。
細菌感染によって炎症を起こすことがあり、その場合には痛みや赤みも伴います。
先述の通りだんだんと大きくなるものであり、自然に治るということはありません。
粉瘤とよく似た
「脂肪腫」について
粉瘤とよく似たできものとして「脂肪腫」があります。こちらは脂肪のかたまりであり、変色したり、内容物が出たり、痛みが出たりといったことはありません。また圧迫しても、潰れません。ただ、放置しているとだんだんと大きくなり目立つことには変わりませんので、やはり手術による治療が必要です。
粉瘤の原因
粉瘤の原因については、はっきりしたことが分かっていません。
粉瘤とストレスは関係ある?
ストレスが直接の原因となって粉瘤が発生することはありません。
ただ、ストレス、あるいは睡眠不足や不規則な生活、紫外線、化粧品による刺激などで肌のターンオーバーが乱れた場合には、間接的に粉瘤のリスクを高めていることもあると言われています。
粉瘤の手術
粉瘤の治療では、手術が必要になります。当院では、日帰りでの粉瘤の手術を受けていただけます。
切除法とくり抜き法がありますが、くり抜き法の方が傷痕は目立ちません。ただ、くり抜き法の適応は小さな粉瘤であるため、傷痕が目立ちにくくきれいに治すためには、大きくならないうちにご相談いただくことが重要になります。
切除法
粉瘤の上の皮膚を紡錘形に切開し、袋状の構造物をそのまま内容物ごと摘出し、縫合します。
大きな粉瘤であっても対応が可能です。また、再発のリスクもほとんどないという特長を持ちます。
くり抜き法
粉瘤の中央部に医療用のパンチをつかって穴をあけ、そこから内容物、袋状の構造物という順で摘出し、縫合します。
傷痕が小さく、目立ちません。ただし、大きな粉瘤には不向きです。また、切除法と比べると、やや再発リスクが高くなります。
炎症を起こしている
場合の治療
細菌感染し炎症を起こしている粉瘤(感染性粉瘤)の場合には、先に炎症を抑える治療を行います。
抗生物質の内服、または切開による排膿を行います。炎症を抑えてから、手術を行います。
手術後の注意点
- 約1週間後に、抜糸のためにご来院いただきます。抜糸までは、飲酒、激しい運動をお控えください。
- 抜糸までは、入浴を控えシャワーのみとしてください。
- シャワーは手術翌日から可能です毎日シャワーで傷をきれいに洗って、ガーゼを当ててください。
- 切除の大きさによっては手術翌日にご来院いただく場合があります。