蕁麻疹

蕁麻疹とは

蕁麻疹とは蕁麻疹とは、突然、皮膚の一部にくっきりとした、蚊に刺されたような赤い盛り上がりが生じ、かゆみ・チクチクした痛み・灼熱感などを伴う病気です。最大の特徴として、発症後数十分~数時間で、症状が跡形もなく消失するという点が挙げられます(稀に、続くものもあります)。
赤い盛り上がりの1つ1つは数ミリ程度ですが、盛り上がり同士がくっつき、数十センチほどに拡大することもあります。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹の原因は多様です。食物などのアレルギーを原因とするもの、圧迫・摩擦などの刺激を原因とするもの、はっきりと原因が分からないものがあります。もっとも多いのは、原因が分からないタイプです。原因を特定できるものは、1~3割程度に留まります。

食物・食品添加物

アレルギー 食物・食品添加物

  • サバ、エビ、カニなどの魚介類
  • 鶏卵、牛乳、チーズなどの卵・乳製品
  • 豚肉、牛肉、鶏肉
  • 大豆、小麦、蕎麦などの穀物・野菜
  • 人工着色料、防腐剤

薬剤

アレルギー 薬剤

  • 抗生物質
  • 非ステロイド性消炎鎮痛薬
    (アスピリンなどの痛み止め)
  • せき止め

刺激

アレルギー 刺激 紫外線

  • 下着や衣類による摩擦や圧迫
  • 寒冷、温熱刺激
  • 紫外線

その他

  • イラクサ、ゴムなどの植物
  • ハチなどの昆虫
    (に刺される・咬まれる)
  • 運動、発汗
  • 甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、膠原病
  • ストレス、過労

蕁麻疹の種類について

蕁麻疹の種類について蕁麻疹は、その病態や原因によって、以下のように分類できます。

急性蕁麻疹

発症して6週間以内の、ほぼ毎日繰り返される蕁麻疹です。
細菌やウイルスの感染が原因になっているケースが多くなります。

慢性蕁麻疹

発症して6週間以上が経過している、ほぼ毎日繰り返される蕁麻疹です。
急性蕁麻疹とは異なり、原因が特定できないケースがほとんどを占めます。

物理性蕁麻疹

摩擦、圧迫、寒冷・温熱、紫外線、振動などの刺激を原因として発症する蕁麻疹です。
これらの刺激を避けることが大切です。

コリン性蕁麻疹

発汗作用により発症する蕁麻疹です。
若年層での発症が目立ちます。

アレルギー性蕁麻疹

食物、薬剤、昆虫などがアレルゲンとなって発症する蕁麻疹です。
血液検査などのアレルギー検査にてアレルゲンを特定することが可能です。

アスピリン蕁麻疹

アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬、人工着色料、造影剤などを原因として発症する蕁麻疹です。
アレルギー性蕁麻疹とは異なり、IgEは関与しません。

食物依存性運動誘発
アナフィラキシー FDEIA

特定の食物を食べた上で、その食後(2~4時間以内)の運動を行うことで蕁麻疹や喘息が現れるアレルギーです。重症化し、ショック状態に陥ることもあります。原因となる食物としては小麦がもっとも多くなりますが、エビやカニなどの甲殻類、果物が原因となることもあります。10~20代の、活動量の多い人によく見られます。

血管性浮腫
(クインケ浮腫)

瞼、唇などに、かゆみを伴わない腫れが現れ、2~3日で消失します。
遺伝を原因とすることがあります。

蕁麻疹の検査と治療

検査

アレルギーなどが疑われる場合には、血液検査、プリックテスト、食物経口負荷試験などを行います。ただし、アレルギーを原因とする蕁麻疹はごく一部であり、多くは問診・視診による診断が可能です。
蕁麻疹が出た時の状況も、診断の際には大切な情報となります。思い当たる原因があったかどうか、症状の内容、症状が続いた時間など、分かる範囲で医師にお伝えください。

治療

原因が特定できた場合には、その原因の除去を行います。
ただし、大半は原因を特定できません。その場合は、抗ヒスタミン薬の服用、かゆみ止めの塗布などの薬物療法を行います。抗ヒスタミン薬によって症状が治まっても、医師が指示した期間(3~5日)は服用を継続してください。

蕁麻疹の予防

蕁麻疹 予防

原因が特定できている場合には、その原因の除去することが治療および予防となります。
具体的には、原因となる食物を摂らない、原因となる刺激を避ける、使用している薬の種類を変更する、下着・衣類の素材を見直す・圧迫の強いものを避ける、過度の運動や発汗を避ける、といったことが挙げられます。