ニキビとは
ニキビとは、皮脂の過剰な分泌などによって毛穴が詰まり、アクネ菌の繁殖によって炎症が起こる病気です。
小児期~思春期に好発しますが、大人になって発症するケースも少なくありません。その場合には、ホルモンバランスの変化、睡眠不足、紫外線、ストレスなどもニキビの原因となります。洗顔などで丁寧にお手入れをしても、原因を取り除かない限りなかなか治りません。
年齢・性別に関係なく、ニキビやニキビ跡でお困りの方は、お気軽に甲南山手まゆみ皮フ科にご相談ください。
ニキビの種類
ニキビは、その重症度に応じて以下のように分類できます。程度の軽いものから順にご紹介していきます。
白ニキビ
毛穴に皮脂や角質が溜まり始めた段階です。
適切なケアを行えば数日程度で治ることが多いものの、放置して黒ニキビへと進行するケースがあります。
黒ニキビ
皮脂や角質が詰まり、毛穴が開いた状態です。
時間が経って皮脂・角質が酸化しているため、黒っぽく見えてしまいます。放置していると、赤ニキビへと進行します。
赤ニキビ
毛包に皮脂・角質が溜まり、炎症を起こした状態です。
指などで触ると、軽い痛みを感じます。炎症を起こすと、ニキビ跡が残りやすくなります。
膿疱
赤ニキビを放置し、膿疱ができた段階です。
何かの拍子で潰してしまうと、中から膿が出ます。また、痛みを伴います。赤ニキビよりも、さらにニキビ跡が残る可能性が高くなります。
瘢痕
いわゆる“ニキビ跡”が残った状態です。
一度瘢痕が生じると、元通りの皮膚に戻すためには長い時間がかかります。
ニキビは一日で治る?
早く治す方法は?
ニキビを一日で治す、というのは現実的にはほぼ不可能です。少しでも早く治すためには、皮膚科を受診するのがもっとも確実です。薬やご自宅でのセルフケアで、早く治しましょう。食生活や生活リズムの乱れ、睡眠不足などがある場合には、その改善にも取り組みましょう。
なお、コンシーラーで隠すという方法もありますが、これはあくまで応急処置であり、かつ当然ながら治療にはなりません。刺激によってかえって悪化するおそれもあるため、使用は必要最低限に留めましょう。
間違ったセルフケアと
正しいセルフケア
間違ったセルフケア
ニキビができた時、すぐにクリニックを受診できないというケースもあるかと思います。そういった場合にも、以下のようなことは避けてください。ニキビが悪化するおそれがあります。触る・潰す
指などで触ると、細菌が付着したり、刺激を与えるなどして、ニキビが悪化するおそれがあります。
また、ニキビを潰すのは厳禁です。そこから感染を起こすことがありますし、ニキビ跡が残る可能性が高くなります。
洗いすぎ・乾燥
過度の洗顔は角質層を傷め、乾燥を招きます。皮膚のバリア機能が低下することで、ニキビを治すつもりが、かえって悪化してしまうというおそれがあります。
正しいセルフケア
間違ったセルフケアを避けつつ、正しいセルフケアによってニキビを悪化させないようにしましょう。
なお、ニキビを早く・きれいに治すためには、皮膚科での治療をおすすめします。
触らない・潰さない
ニキビを触らない・潰さないようにします。
顔を洗う・タオルで拭く時も、ニキビを刺激しないように注意してください。顔を拭く際は、タオルで擦るのではなく、軽く押し付けることで水気をとります。
適切な洗顔と保湿
洗顔料は、泡立てネットを使ってよく泡立てましょう。そしてその泡をクッションにして、直接触れないようにして顔を洗います。洗顔の際は、冷たい水・熱い湯を避け、ぬるま湯を使用するのがおすすめです。
また洗顔は原則、1日2回までに留めましょう。洗顔後はしっかりと保湿をし、皮膚のバリア機能を維持します。
メイクにも注意が必要
理想的なのはノーメイクで過ごすことです。
難しい場合には、低刺激のものを使用しましょう。また、帰宅後すぐにクレンジング・洗顔をするなど、メイクをしている時間を短くすることも大切です。
自費と保険のニキビ治療
ニキビは原則として、保険診療として治療します。ほとんどのニキビは、保険診療の治療できれいに治すことができます。
また当院では、重症化したニキビやニキビ跡の治療、ニキビ予防などにおいて、自費診療のメニューもご用意しております。ご希望の場合には、お気軽に医師にお伝えください。
ニキビ治療のお薬について
ニキビ治療では、以下のようなお薬を使った薬物療法を行います。また洗顔、保湿の方法、生活習慣に関するアドバイスなども行い、ニキビの治癒促進とともに、ニキビの再発リスクの低減を図ります。
外用薬(塗り薬)
過酸化ベンゾイル
アクネ菌の殺菌、皮膚のピーリング作用によって、ニキビを改善します。特に、赤ニキビ、白ニキビに有効です。
現在のところ、過酸化ベンゾイルに対する耐性菌は確認されておらず、長期に使用する場合も安心です。
アダパレン
毛穴の細胞の角化を正常化し、毛穴の環境を改善します。白ニキビの改善や予防といった効果が期待できます。
妊娠中の方、妊娠の可能性がある方には使用できません。
過酸化ベンゾイル・アダパレン配合ゲル
赤ニキビが多発している中等症以上の症例には、過酸化ベンゾイルとアダパレンを配合したゲルが有効です。
抗菌剤
アクネ菌を殺菌し、赤ニキビを改善します。クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなど、いくつかの種類があります。
内服薬(飲み薬)
抗菌薬
アクネ菌の殺菌、炎症抑制作用によって、赤ニキビを改善します。
漢方薬
漢方薬の使用が有効になることがあります。
赤ニキビの場合は荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯が、白ニキビの場合は荊芥連翹湯が有効になります。
ニキビ跡の治療
ニキビ跡の種類
ニキビができた後、きれいに治らなかったものをニキビ跡と言います。以下のように、いくつかの種類があります。
赤み
炎症が残り、赤くなっているニキビ跡です。ダメージによって皮膚が薄くなったことで赤く見えます。
色素沈着
赤みのあるニキビ跡を放置し、数カ月が経過すると茶色っぽく色素沈着します。茶色いシミのようにも見えます。
クレーター
ニキビの炎症が真皮に達し、修復できなかったためにくぼみとして残るニキビ跡です。ニキビを爪で潰すなどの行為が原因になることもあります。
しこり
ニキビの炎症が真皮に達し、修復される際の異常な再生によって、盛り上がってしまうニキビ跡です。
ケロイド
主に体質的な問題を原因として、ニキビが治る過程で皮膚が盛り上がった り、ひきつれてしまった状態です。
ニキビ跡の治療
ダーマペン
ダーマペンとは、小じわ、たるみ、毛穴の開きをはじめとするさまざまな肌トラブルを改善することのできる施術です。ニキビ跡についても、ダーマペンによる改善が可能です。
色素沈着した茶色っぽいニキビ跡、クレーター状になったニキビ跡、しこりになったニキビ跡が、ダーマペンの主な適応となります。
当院では、お肌の状態・ニキビ跡のタイプを見極めた上で、ダーマペンによる施術を行います。効果が期待できない場合には、他の施術をご案内いたします。
施術の流れ
- 症状を詳しくお伺いします。お肌の状態を拝見し、ダーマペンの適応となるかどうかを判断します。
- クレンジング・洗顔を行っていただきます。
- 施術を行います。施術時間の目安は、約20分です。
- アフターケアを行い、終了です。
トライビーム
YAGレーザーを用いた新しい施術です。532nmと1064nmの2種類の波長のレーザーの照射が可能であることから、シミ・そばかすなどの浅い色素沈着、茶あざ・青あざ・黒あざなどの深い色素沈着まで対応できます。
ニキビ跡に対しても有効です。主に、色素沈着をした茶色っぽいニキビ跡、赤いニキビ跡に対して行います。
お肌の状態やニキビ跡のタイプ、患者様のご希望に応じて、適切な施術をご提案いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
施術の流れ
- 症状を詳しくお伺いいたします。お肌の状態を確認し、トライビームプレミアムの適応となるかどうかを判断します。
- クレンジング・洗顔を行っていただきます。
- 目を保護した上で、施術を行います。
- アフターケアを行い、終了です。